【財産分与】【財産開示】【離婚調停】別居期間3年の夫と調停離婚し、財産を開示させ、財産分与含めて300万円の解決金を獲得した事例
1 相談者様の性別、年代、ご要望等
- 40代女性
- 夫:会社員
- 別居期間3年
- 親権:15歳女子
- 財産分与
- 夫の財産について詳細が不明
- 不倫、不貞行為
2 ご相談内容
(1)三輪知雄法律事務所に相談前の状態
相談者様は、結婚後、娘が生まれたのをきっかけに、住宅ローンにて一軒家を購入し、サラリーマンの夫と3人で暮らしていました。
しかし、夫の不倫が原因で夫婦仲が悪くなり、夫は家を出て行ってしまいました。
夫から離婚を求められていましたが、相談者様としては、娘のことを考えて応じる気持ちになれず、3年近く別居状態が続いていました。その間、夫から決められた金額の婚姻費用を受け取りながら、相談者様が娘を監護してきました。
娘の高校入学が決まったことを機に、相談者様としても、そろそろ新たな人生を始めたいと思い、離婚について前向きに考えるようになりました。
しかし、離婚をするとなると、住み慣れた自宅を出なくてはいけなくなりますし、娘の進学や就職、自身の将来を考えると、まだまだ経済的な不安もあり、このまま協議離婚をしていいのか分かりません。
ネットで調べると、子の養育費を支払ってもらうほか、「財産分与」ができると書いてありました。自分の場合、どのような財産について分与が可能か知りたい、また、主張したとして夫がすんなりと応じるとは思えないので交渉もしてもらいたいとのことで、三輪知雄法律事務所へ相談にいらっしゃいました。
(2)三輪知雄法律事務所に法律相談後、解決内容
離婚条件のアドバイス
三輪知雄法律事務所へ法律相談に来ていただき、婚姻~別居の経緯や夫婦の財産状況についてヒアリングを行うことで、本件の場合、次の項目について離婚条件として要望できるとアドバイスしました。
- 娘の親権者を相談者様とする
- 面会交流の条件
- 子の養育費
- 慰謝料
- 財産分与
本件では、財産分与について詳しく説明します。
なお、財産分与の基本的な考え方や三輪知雄法律事務所の財産分与に関するサポートについては、以下の記事で解説しておりますので、あわせてご覧ください。
財産分与についての三輪知雄法律事務所のサポート
財産分与についてのアドバイス
相談者様よりお話しを伺ったところ、夫婦の共有財産として財産分与の対象になり得る財産は以下の通りでした。本件の場合、預貯金はほとんどないとのことでした。
- 現在相談者様が居住している自宅(住宅ローン有、名義人夫)
- 自家用車(残ローン有、所有者名義夫)
- 夫の将来の退職金見込額
- 夫が保有する株式
- 年金分割
このうち、退職金見込額、株式については、金額など詳細が不明であり、相談者様から尋ねても、夫は回答してくれなかったとのことです。
担当弁護士が間に立ち、離婚調停にて夫の財産を開示請求
そこで、担当弁護士が代理人に立ち、離婚条件を記した通知文を発送しました。
しかし、夫側は、「今のままで良い」とか「仕事が忙しく、考える時間がない」など、何かと理由をつけて協議に応じないため、相談者様の了承を得たうえで、離婚調停を申し立てることとなりました。
離婚調停において、担当弁護士より夫側に対し、離婚条件を受け入れ早期に離婚すること、そして、退職金見込額や保有株式数等を開示するよう主張しました。
すると、これまで相談者様がいくら尋ねてものらりくらりとしていた夫は、調停委員などから説得され、将来の退職金見込額・保有株式数や評価額の開示に応じました。
退職金や株式について開示された情報をもとに、同居期間の割合等により分与されるべき金額を算出し、担当弁護士より分与額の主張を行いました。
担当弁護士が粘り強く主張し、こちらが提示する離婚条件を認めさせることに成功
夫は、当方が提示した金額よりも低い金額を支払うと提案してきましたが、調停においては当方が算出した金額についてほぼ満額が認められ、離婚成立時に相談者様が夫より受け取ることができる解決金とすることができました。
夫が加入する生命保険についても開示させ、受取人を子とすることについても合意が成立しました。
車については、相談者様が残ローンを支払うことを条件に、相談者様を所有者に変更する旨の合意が成立しました。
別居中、相談者様と娘が居住していた自宅(住宅ローンは夫が支払)についても、財産分与の一条件として、相談者様と娘が3年間の期限付きで引き続き居住できる合意を成立させました。
財産分与以外の部分についても、相談者様は、娘の親権を得ることもできましたし、相当額の養育費(月12万円)や慰謝料の支払いについても約束させることができました。
相談者様は、離婚に際して先立つものがないことを不安に感じていらっしゃいましたが、財産分与をすることで、解決金としてまとまったお金を得ることができ、より一層将来に希望を持つことができたとおっしゃっていました。
以上の各財産分与やその他の金銭支払については、家庭裁判所が作成する調書上に、法的に有効な効力を持つ条項として(調停条項)記載がなされました。
また、相談者様は、離婚後も娘さんの生活については今までと変えたくないと願っていらっしゃったので、すぐに引っ越しなどをせずに済み、安心していらっしゃいました。
今は正社員として働き、娘さんと穏やかな日々を過ごされているとのことです。
3 解決期間と弁護士費用の目安
ご相談の事例において、解決まで要した期間と三輪知雄法律事務所の弁護士費用は以下のとおりとなります。
解決までに要した期間と弁護士費用
●ご相談から離婚成立までの期間:約8ヶ月程度
●三輪知雄法律事務所の弁護士費用
・着手金:33万円(消費税10%込)
・報酬:120万円程度(消費税10%込)
(基本報酬+慰謝料及び解決金の11%+獲得した養育費の3年分の11%)
※実費等は別途。
※費用は、あくまで参考としてお示しするものであり、個別の案件やご相談内容によっても異なりますので、詳細は法律相談の際に担当弁護士までお問い合わせください。
4 三輪知雄法律事務所の担当弁護士からのコメント
三輪知雄法律事務所
担当弁護士:三輪 知雄
出身地:名古屋市。出身大学:京都大学法科大学院。主な取扱い分野は、離婚事件、企業法務、倒産事件、相続税申告。
離婚に際し、財産分与や慰謝料、養育費等、特に金銭の支払いの取り決めは、協議離婚の場合は公正証書、調停離婚の場合は調停調書に必ず明記してもらいましょう。
万一、相手が養育費の支払いをしないなど調停調書に記載された内容を守らなかった場合には、差し押さえなどの強制執行手続により、合意内容を強制的に履行させることができます。
離婚前提の状況において、夫の財産について妻が尋ねたとしても、素直に答えるケースは稀です。
夫の給与明細や預貯金通帳、退職金規程などの情報があれば、交渉や調停をよりスムーズに進めることができます。
しかし、弁護士が離婚問題解決の経験に基づき、夫が務める会社の規模や勤続年数などから、ある程度財産の種類について想定し、開示を請求することもできますので、夫の財産状況について全く分からないという場合でも、諦めずにまずはご相談ください。
5 三輪知雄法律事務所の離婚問題、財産分与の請求等に強い弁護士へのお問い合わせ
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※この記事は公開日時点の法律をもとに作成しています。
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