【熟年離婚】【財産分与】夫の財産を開示させ、財産分与の金額を増額し、1200万円の解決金を離婚調停にて獲得した事例

1.相談者様の性別、年代、ご要望等

  • 50代女性、専業主婦、子どもなし
  • 婚姻期間20年以上
  • 夫と離婚したいが、財産分与についてどうするべきか分からない

2.ご相談内容

(1)三輪知雄法律事務所に相談前の状態

相談者様は、結婚を機に当時勤めていた会社を辞め、専業主婦として家事全般を担い、外で働く夫を献身的に支えてこられていました。
お二人の間には子どもはいなく、次第に夫とも最低限の会話しか交わすことがなくなっていました。
夫との結婚生活が20年経った頃、いわゆる家庭内別居の状態が長く続いており、相談者様はこれまでの暮らしを振り返り、これから30年近くも現在と変わらない生活を続けていくことを想像したときに、心が重くなり涙が出てきてしまうようになったそうです。
そうした経緯もあり、心機一転、自分の力だけで新たな生活を始めるために離婚を決意されたとのことです。

しかし、結婚をして以降、専業主婦として生活をされてきた相談者様は、すぐに新生活を始められるほどの手持ちの財産がなく、どうしたものかと調べていたところに、「財産分与」という制度があることを知りました。

離婚や財産分与について調べていくうち、三輪知雄法律事務所のホームページを見つけ、実際に電話をしたところ、希望の日時に予約が取れたことから初回無料相談にご来所されました。

財産分与とは

結婚生活中に夫婦が共同で築いた財産を公平に分配するための制度です。
しかし、請求できるのは離婚から2年以内のため、注意が必要です。

(2)法律相談後の経過及び解決内容

初回相談で経緯を詳しく伺い、三輪知雄法律事務所に委任されることとなりました。

○夫の財産調査

財産分与を請求する場合、相手方名義の財産を確認することが大切です。

夫婦関係が良好なうちは、何気ない会話である程度は相手方名義の財産を把握することが可能ですが、相談者様のように夫婦間のコミュニケーションが長期間乏しい場合は、困難なこともあるでしょう。いざ事が起こると、相手が自分名義の財産を隠したり、どこかに移転させるということは想定される動きです。

婚姻後に形成された財産は、名義にかかわらず(相手方名義であっても)、原則として夫婦の共有財産となります(婚姻前からの預金や親の相続で得たような財産(特有財産)は除く)。
夫婦の共有財産である以上、財産管理をすべて他人任せにするのではなく、自分もある程度は把握しておくようにしましょう

今回の事例では、下記が財産分与の対象となりました。

・預貯金
・退職金
・確定拠出年金
・従業員持ち株
・生命保険
・自宅不動産
・自動車

○別居開始、受任通知を発送

初回相談からまもなく、相談者様は実家に移り住み、夫との別居を開始されています。
その後、担当弁護士より夫に対して受任通知を送付し、今後は、①担当弁護士の自分が窓口となること、②家庭裁判所へ調停を申し立てる予定であること等をお知らせしております。

○調停申立て

担当弁護士は、書類を揃え、家庭裁判所に対して夫婦関係調整(離婚)調停申立及び婚姻費用分担請求調停申立を行いました。
調停を申し立てたことにより、夫にも代理人弁護士がつきました。

数回に亘って調停期日が実施され、調停の場において両当事者の話し合いを行いました。

当初、夫側から提示された財産には、預貯金、自宅不動産、生命保険金等のみでしたので、担当弁護士より、夫側の弁護士に対し、その他の財産について別居日時点での保有状況を確認するとともに、開示を求めました。

また、夫側から提示された預貯金残高を確認したところ、結婚当初に聞いていた額よりも大幅に減少していることが判明しました。
夫の給与は一般的な水準よりも高額であり、開示された残高はその給与水準に到底見合ったものではありませんでした。証券会社などで株式投資をしている可能性も考えられたため、減額した原因(使途)を明らかにするように強く求めました。

○調停成立、離婚届の提出

担当弁護士による夫側への粘り強い追及が功を奏したのか、相談者様が求める財産については全て開示させることができました。
最終的には、夫から相談者様に対し、財産分与金とこれまで未払であった婚姻費用をあわせた解決金として約1200万円を支払うことで調停が成立しました。

解決金の支払については、夫側からの支払が適切になされるように、弁護士側の管理口座で確認し、無事に全額回収することができました。

調停が成立したことにより、相談者様において離婚届を提出され、本件は無事に解決となりました。
新たな生活のスタートを切った相談者様は、とても晴れやかな表情をされていらっしゃいました。

3.解決までに要した期間と三輪知雄法律事務所の弁護士費用

三輪知雄法律事務所が解決までに要した期間と弁護士費用は以下のとおりとなります。

解決までに要した期間と弁護士費用

○ご相談から解決までの期間:約1年程度

○三輪知雄法律事務所の弁護士費用
 ・着手金:33万円
 ・報酬:調停による離婚成立のため33万円+獲得した経済的利益の16.5%

※消費税込の金額。
※費用は、あくまで参考としてお示しするものであり、個別の案件やご相談内容によっても異なりますので、詳細は法律相談の際に担当弁護士までお問い合わせください。

4.三輪知雄法律事務所の担当弁護士からのコメント

三輪知雄法律事務所
担当弁護士・税理士:三輪 知雄

出身地:名古屋市。出身大学:京都大学法科大学院。
主な取扱分野は、離婚事件、相続事件、企業法務、不動産事件など。

財産分与は、専業主婦(主夫)であっても、原則2分の1を求めることが可能です。
それは、家事や育児などの家事労働であっても、夫婦の共有財産の形成に貢献したと考えられることができるからです。

いざ離婚を決意したときに、新たな生活を始めるためにも十分な資金が必要になります。
財産分与は、結婚生活において夫婦が共同で築いた財産を公平に分けるための制度です。
いったん離婚を先行させてから、財産分与を行うという方法もありますが、相手方へ請求できるのは離婚から2年以内と期限が設けられていますし、離婚後に新生活の準備や仕事などと並行に対応していくには時間も労力もかかり、かなり大変なことと思われますので、離婚と同じタイミングで財産分与の請求を行うことを強くお勧めします。

当事務所は、これまで本件のような熟年離婚の案件や財産分与をはじめ、こじれた男女関係の問題を多く取り扱い、様々なトラブルを解決してきました。

子供が小さいうちは我慢してきたが残りの人生このままでよいのか・・・、財産分与の請求をしたいがどうしたらよいのかわからない・・・など、お悩みの方はお気軽に三輪知雄法律事務所へご相談ください。

5.熟年離婚や財産分与に強い三輪知雄法律事務所へのお問い合わせ

三輪知雄法律事務所の「熟年離婚や財産分与に強い弁護士」へのお問い合わせは、以下の「電話番号(受付時間・平日 9:00~18:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

※この記事は公開日時点の法令等をもとに作成しています。
※個人情報保護及び争点の理解等の観点から、結論に影響がない範囲で事案の一部を変更している場合があります。