【非上場株式】【経営陣に売却】相続により取得した非上場株式(持ち分割合約50%)と土地を、現社長と会社に調停で売却した事例

1.相談者様の年代、置かれた状況、ご要望等

  • 株式発行会社:愛知県三河地方所在の非上場会社
  • 相談者:40代女性、前社長の二女
  • 相手方:株式発行会社の現社長であり、相談者の叔父
  • 相談者の保有株式割合は約50%
  • 亡父の相続により取得した非上場株式と土地を売却したい

2.ご相談内容

相談者様は、三河地方に所在する非上場会社(以下「A社」)の前社長のご息女でいらっしゃいます。

以前は、相談者様のお父様がA社の社長を務められておりましたが、5年前に亡くなられ、その後は叔父が社長に就任されたとのことです。

相談者様は、前社長のお父様からの相続により、A社の非上場株式を保有されており、その保有割合は約50%でした。
また、株式のほかに多数の土地を相続により取得されており、月額20万円ほどでA社に貸していました。
しかし、土地については、会社の経営状況等を理由に相手方からの支払が徐々に滞るようになり、最終的には月額10万円まで減額するよう請求をしてきたとのことです。

相談者様と夫は地元に帰り、前社長の誘いにより夫も取締役として経営に携わっておりましたが、現社長から、相談者様の所有株式を譲渡してほしいとの話を拒否したこと等をきっかけに関係が悪くなり、最終的には会社を退職せざるを得なくなったとのことです。

相談者様は、父へ親孝行したいとの思いから、夫と共に会社を支えていこうと考えていましたが、お父様も亡くなり、夫も疲弊して退職に至ったため、株式と土地を会社に売って、A社との関係を断ち切りたいと考えていらっしゃいました。

そこで、非上場株式及び土地の売却をするにはどうするべきなのか専門家に相談したいと考え、当事務所にお問い合わせいただきました。

非上場株式とは

証券取引所に上場していない会社の株式のことをいいます。
証券取引所に上場している上場株式は、世界中どこにいても誰でも証券会社経由で売買できるのに対し、非上場の株式は、一般的な市場での売買はできず、会社関係者以外に売買相手を見つけるのが困難となります。

上場株式に比べて圧倒的に処分、換金が困難であるにもかかわらず、財産評価上は税務通達に従うことになります。したがって、相続財産の中に非上場株式がある場合には評価額が高額になるケースもあるため、相続税の負担にも注意する必要があります。

3.法律相談後の経過

(1)委任契約の締結

初回無料相談で経緯などを詳しく伺い、三輪知雄法律事務所にぜひ依頼をしたいとのことでしたので、委任状及び委任契約書取り交わしました
委任状を取り交わしたことで、弁護士が代理人となり、交渉を進めていくことが可能となります。

(2)相手方への交渉

相談者様保有の株式及び土地は、①A社の経営に必要不可欠であること、②相談者様が三河地方を離れる予定のため土地を保有していても管理が困難になることから、まずは相手方に対する交渉として、すべて一括にて適正価格で株式及び土地の譲渡を希望している旨を通知しました。

相手方に対して、上記のような内容の受任通知を送付したところ、相手方の代理人である弁護士より、「金銭的余裕がなく、株式については額面での譲渡を希望するが、土地の譲渡は希望しない」との回答がなされました。

相手方提示の金額では、あまりにも安価すぎることから到底応じられるものではなく、今後、会社を経営していく上でも必要不可欠なことであるから、A社としても購入を検討するよう、数度にわたり交渉を行いました。

(3)調停による対応

交渉ではお互いの主張が平行線のままでしたので、調停での解決を図るべく、相手方より調停申立がなされました。
複数回にわたって調停期日が実施され、主張を行っていきました。

相談者様は株主でしたので、担当弁護士が代理人として、会社に対し決算書の開示を求めました。
株式の評価については、取り寄せた決算書を下に、当事務所と提携の外部税理士に株価評価意見書の作成を依頼し、不動産については、不動産会社と担当弁護士で対象となる不動産全部について現地確認の上、査定書の作成を依頼し、調停期日において提出しました。

その後も、相手方からは著しく安い金額での株価と土地価格の主張がなされ、調停の進展がない時期もありましたが、粘り強く株価意見書と不動産査定書を通じて、当方の主張の正当性を訴えるなどし、最終的には、調停委員は、担当弁護士の主張に理解を示すとともに、相手方に対し、担当弁護士の主張に歩み寄るよう説得を行っていました。
最終的には、相手方が調停委員の説得に応じ、担当弁護士の主張をふまえた金額での売買が決定しました。

代理人において、相談者様や税理士と協議し、不動産については賃貸中の土地であることや現状有姿売買によるリスクヘッジを考慮した条項案を作成し、株式については、株式売買に伴う課税や、株主総会等の会社法上の手続を意識した株式売買に関する条項案を作成・提出し、調停は無事に成立となりました。

4.解決までに要した期間と三輪知雄法律事務所の弁護士費用

三輪知雄法律事務所が解決までに要した期間と弁護士費用は以下のとおりとなります。

解決までに要した期間と弁護士費用

○ご相談から解決までの期間:約3年程度

○三輪知雄法律事務所の弁護士費用
 ・着手金:55万円(交渉時は44万円)
 ・報酬:経済的利益(売却額)の所定の割合
(※)

※0円~3000万円の部分:13.2%、3000万円~1億円の部分:9.9%、1億円~3億円の部分:9.9%、3億円を超える部分:7.7%

※消費税込の金額。実費・日当等は別途。
※費用は、あくまで参考としてお示しするものであり、個別の案件やご相談内容によっても異なりますので、詳細は法律相談の際に担当弁護士までお問い合わせください。

5.三輪知雄法律事務所の担当弁護士からのコメント

三輪知雄法律事務所 
担当弁護士・税理士:三輪 知雄

出身地:名古屋市。出身大学:京都大学法科大学院。
主な取扱分野は、非上場株式や不動産が関係する相続や遺留分の問題、使用貸借トラブル、企業法務、相続税の税務調査対応など。

国内における中小企業のほとんどが非上場会社であり、その中でも同族会社は数多く存在します。非上場株式の場合、ほぼ譲渡制限の条件が付与されており、上場株式とは違って取引市場が存在しませんので、個人間で自由に売買をすることができません。
そのため、保有する非上場株式を売却するためには、まずはじめに買い手を探す必要があります。

また、取引市場が存在しないということは、その株式がどれくらいの値で取引されているのか(またはどれくらいの値で取引されることが妥当なのか)情報がないということでもあり、解決まで時間を要する原因の一つです。買い取りについては会社側の判断に委ねられている場合も多いのが実情です。

当事務所では、会社の株主構成や株主、役員の相続、労務・従業員の問題、会社の決算や会計、負債、不動産や賃貸借契約、相続税の問題など、会社に関する全ての状況をお聞きする中で、株式の売却につながるヒントや、相談者様と会社側の両方にメリットがある解決策を検討します。

そのような解決策を見いだすためには、会社法や労働法など企業法務に関する知識もさることながら、相続、不動産、税金などに関係する知識や関連分野における紛争解決の経験が必要になると考えます。当事務所では、これまで会社法務の問題はもちろんのこと、相続や不動産問題など、非上場株式の売却に関連する分野においても経験を積んで参りました。

また、争いが生じがちな株価や不動産の算定においては、専門知識を有した税理士等、弁護士以外の専門家による評価が必要不可欠と考えます。本件は解決まで長い期間を要したので、途中で相談者様が諦めそうになったこともありましたが、担当弁護士だけでなく、税理士や不動産会社も相談者様を励ましながら打ち合わせを行い、解決に向けて尽力してくれました。
両専門家の解決への貢献度は、株式売買に伴う課税面の検討、不動産の査定意見の作成なども含め、非常に大きかったといえます。

非上場株式の売却交渉については、必要な情報の多くは株主側ではなく会社側が握っています。また、専門的な交渉や複雑な分析も必要となるため、経験がある弁護士にご相談されることをお勧めします。

本件のように「非上場株式を相続により取得したがどうすればいいのか分からない」や「いざ売却をしようと会社へ話を持ち掛けたが、提示してきた金額が安すぎる」など、非上場株式の売却に関するご相談は、お気軽に三輪知雄法律事務所へお問い合わせください。

6.非上場株式の売却に強い弁護士へのお問い合わせ

三輪知雄法律事務所の「非上場株式の売却に強い弁護士」へのお問い合わせは、以下の「電話番号(受付時間・平日 9:00~18:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

※この記事は公開日時点の法令等をもとに作成しています。
※個人情報保護及び争点の理解等の観点から、結論に影響がない範囲で事案の一部を変更している場合があります。