【モラハラ離婚】夫婦間のモラハラに悩んでいる方へ、モラハラな配偶者との離婚方法
夫婦間で下記の例に該当するようなことはありませんか?
夫から妻に対する例
- 夫から家事について、「料理が下手くそだな。」「家にいて暇なくせに掃除が行き届いていない。」などと、毎日のように文句を言われる。体調が悪くても、「さぼるな。」と休ませてくれない。
- 夫に家事や子育てを手伝って欲しいと伝えたところ、「俺と同じだけ稼げたら手伝ってやる」と言われ、協力してくれない。
- 夫に生活費の額を決められており、今月は冠婚葬祭など出費が多いから少し増やしてほしいと伝えたところ、「お前のやりくりが下手くそだから足りなくなるんだ。」と一切応じてくれない。
- 夫から自分の親の悪口を言われる。「お前の親に子どもを会わせると教育上良くないから会う必要がない。」と実家に帰らせてくれない。
- 夫に「女は家にいるもんだ」、「たいして稼げないのに働く意味がない」と仕事を辞めさせられた。またはそもそも働かせてくれない。
妻から夫に対する例
- 妻から「稼ぎが少ない」、「もっと働け」と言われ、妻に全てのお金を管理されている。
- 何か意見を言っても 「あなたは間違っている」、「受けてきた教育が悪いのね」と全て否定される。妻は自分が一番正しいと思っている。
- 専業主婦なのに家事をしない。あまりに掃除をしないから、自分で始めたところ、「私がやるから片付けないでいい」と怒り出す。しかし、片付けることはない。
- 妻は自分の実家に子どもと入り浸り、自宅に帰ってこないため、「実家に行く頻度を減らしてほしい」と伝えたところ、「食費や光熱費を浮かすためだから文句を言われる筋合いはない」と聞き入れてくれない。妻と妻の親が子どもに私の悪口を吹き込んでいるようだ。
- 子どもへの教育や接し方について、「それはレベルが低い家庭の話」「どんな家庭で育ってきたの?」などと文句を言ってくる。
1.モラハラとは・・・?
上記で「モラハラ」に該当するであろう言動の例を挙げました。モラハラとは「モラルハラスメント」の略で、夫婦のどちらかが、相手に対し、言葉の暴力や態度などによって、精神的苦痛を与えることをいいます。
通常の夫婦ケンカとは異なり、夫婦関係に上下関係があることが特徴です。
モラハラな加害者の特徴
モラハラ加害者の特徴として、以下のようなものがあるといわれています(すべてが当てはまるというものではありません)。
モラハラ加害者の特徴
- 自分が正しいという意識、自己愛が非常に強い。
- 相手を見下す傾向がある。
- プライドが高い。
加害者が男性の場合
- 社会的には地位が高く、仕事はしっかりしており、収入も高い。
- 一般的にエリートと呼ばれる企業の会社員や職種であることが少なくない。
- 社会や外部における評価は高い。
加害者が女性の場合
- 夫に感謝はしないが、自分は感謝されて当然だと考えている。
- 周囲からの評判を常に気にしており、外では献身的な妻を演じている。
- 親の言うことが一番正しいと考えている。
- 親から甘やかされて育ち、結婚後も精神的な距離が近い。
夫婦間でのモラハラは、家庭内のことなので、第三者に知られる機会がありません。
モラハラな加害者を知っている人に相談すると、加害者が夫の場合は「できる人だから仕方ない」、「テキパキしているから会社では評価されてるよね」とか「決めてもらえるからいいじゃない」などと言われがちです。
加害者が妻の場合は、「あなたがお金にルーズだから家計を管理されてしまうのでは?」「奥さんへの感謝が足りないんじゃないの」という反応となります。
結果、なかなか自分が被害を受けている、夫婦間にモラハラ行為があるという認識を持ちにくいといえます。
ですから、専門家が見れば、明らかに配偶者からモラハラを受けていると分かる事態でも、本人はモラハラを受けていると自覚していないことが多くあります。
「私にも落ち度があるから言われても仕方ないのかも」、「夫婦なのだから、これぐらい我慢しなければ」と自分を無理矢理納得させ、結婚生活を続けている方も多いのではないでしょうか。
2.モラハラを受け続けると・・・?
しかし、自身がモラハラを受けていることを自覚していようといまいと、モラハラの影響は、確実に自分の心や身体に不調を引き起こします。
本来、安らぐ場所であるはずの家庭において、相手から自分を否定されたり、自分の意見を言えないといった抑圧・緊張状態を強いられるわけですから、心は大きなストレスを抱え、思考力や判断力が低下し、無力感や不眠からうつ病になってしまうことも少なくありません。
配偶者から、毎日のように、「お前が悪い」、「あなたが間違っている」と言われ続ければ、「自分には価値がない」、「自分が全て間違っている」と思うようになってしまうのは無理もありません。
3.モラハラ家庭で育つ子どもへの影響
モラハラは、子どもの成長にも大きく影響を及ぼします。
影響1:相手を傷つけることに抵抗がない子どもになってしまう
相手に対して高圧的な態度を取ったり、無視する、相手を罵る親の姿が日常なわけですから、子どもも同じような振る舞いを周囲の友達にしてしまう可能性があります。相手を傷つけることが悪いことだと知らないまま、大人になってしまうのです。
影響2:大人の顔色ばかりうかがう子どもになってしまう
モラハラが原因で、両親のどちらかが怯えている姿を日常的に子どもが目の当たりにすると、「モラハラの原因は自分が悪い子だからなのでは」と、モラハラの原因が自分にあると考えてしまい、常に良い子でいなければと大人の目ばかり気にして生きていく人間になってしまうかもしれません。
自分の意見より他人の目を気にして行動しますから、ストレスが溜まり、大人の前では優等生、友達や弱い立場の人に対してはストレス発散のために、意地悪などをしてしまう子もいるでしょう。
(1)、(2)は一例にすぎず、モラハラは子どもの人格形成に大きな悪影響を与えます。
モラハラ被害を受け続け、不眠や食欲不振、無気力感など心身への不調を来している、子どもが対人関係で問題を起こしていたり、情緒不安定になってしまっている・・・
という方は、モラハラの被害を受け続ける今の結婚生活を続けるのか、モラハラの原因を絶つため離婚し、新たな生活を始めるべきなのか、一度、真剣に検討すべきです。
4.モラハラな加害者と離婚するポイント3点
離婚を検討される方のために、これまで述べてきたモラハラの問題点をふまえて、モラハラな加害者と離婚するポイントを解説します。
ポイント1:まずは、モラハラな加害者との別居が重要
上述したとおり、モラハラな加害者とのやりとりは、被害者と子供の心や人格を破壊しかねません。
また、モラハラな加害者が、被害者に注意されて、素直にモラハラを止めることはありえません。それどころか、そのような指摘が、モラハラ行為をさらにエスカレートさせてしまうことさえあります。
モラハラな加害者と一緒にいると、度重なるモラハラで人格を否定され続けた被害者は、「何を言っても聞いてくれない」、「怖くて、別居や離婚の話はできない」と諦める以外、何も行動に移せなくなり、モラハラな加害者の支配から逃れられなくなります。
被害者が正常な意思に基づいて行動するためには、モラハラな加害者と速やかに別居することが重要です。
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別居をするにしても、生活日や教育費などの経済面が心配で、なかなか別居に踏み出せない方も多いかと思います。
しかし、法律上は、別居中であっても「婚姻費用」、すなわち生活費を相手に請求できることとなっています。
モラハラな加害者に、被害者が「生活費(婚姻費用)を支払ってほしい」と言ったところで、「自分が常に正しいと思い込んでいる」モラハラな加害者が、別居を認めたり、すんなり婚姻費用を払ってくれることはありません。速やかに弁護士に相談することをおすすめします。
三輪知雄法律事務所では、別居から婚姻費用請求の交渉、調停まで一貫してサポートいたします。
ポイント2:モラハラな加害者との直接交渉は極めて難しいため、早期に専門家に一任すべき
離婚するには、大きく分けて、協議離婚、調停離婚、裁判離婚と3つの方法があります。
一番楽なのは、協議離婚ですが、モラハラな加害者と協議離婚をするのは極めて難しいと考えられます。
なぜならば、モラハラな加害者は、プライドが高く、自分が全て正しい、何か問題があるとしても、それは相手にすべて原因があると考える特徴があります。
モラハラ行為の数々を理由に離婚を主張しても、モラハラ夫からは「それはお前が無能だから教えてやっただけだ」、「出て行くなら養育費も生活費も一切払わない」などと反論をされ、協議が進まないことが想定されます。
モラハラ妻からは、「離婚するなら子どもと一生会わせない」などと、子どもを盾に離婚を拒まれるかもしれません。
親や兄弟姉妹などに仲介に入ってもらうことも考えられますが、モラハラな加害者は、上記のとおり、家庭外では評判が良いため、頼りがいがあるとか、優しく家族思い、献身的な妻という顔をもっている事も多く、「●●さんは仕事が忙しいから、あなたがサポートしないと」とか「あなたにも非があるのでは」と言われたりすることもあります。このように、親族や知人の仲介で状況が改善することはあまり期待できないと考えられます。
そのため、結果的には、早期に弁護士に交渉を依頼した方が、被害者の方の精神的負担は少なくて済みますし、意向に沿った解決には近道となります。
三輪知雄法律事務所では、DVやモラハラを原因とした別居から婚姻費用の請求、離婚成立までの解決実績が多数ありますので、安心してお任せください。
ポイント3:モラハラを第三者に証明するための証拠が重要
モラハラ行為の一つ一つは、加害者の暴言や態度であったりするため、肉体的なDV等とは異なり、目に見えないものであることが多いです。
そして、上記で述べたモラハラな加害者の特徴及び三輪知雄法律事務所での過去の取扱事例から、モラハラな加害者は、自身がモラハラ行為を行っているという加害意識は低く、加害者が、モラハラ行為を行ったことを認めない可能性が非常に高いです。
そのため、モラハラを理由とした離婚の事件では、モラハラ行為があった、なかったで争われることも非常に多くなります。
日本の法律では、相手が離婚に同意しない場合、モラハラにより、「婚姻を継続し難い重大な事由がある」と認定されなければ、調停や裁判で離婚が認められません。
つまり、婚姻を継続しがたい程の「モラハラ行為」があったことが客観的に分かるよう、モラハラ被害者が証明する必要があり、以下のような証拠が重要となります。
証拠となりうるものの例
①モラハラな加害者との会話の録音や動画、モラハラの詳細やモラハラが行われた日時を記した日記やメモ
②LINEなどのトーク履歴やメール
③医師の診断書や精神科・心療内科への通院履歴
④モラハラを目撃した第三者の証言
①モラハラな加害者との会話の録音や動画、モラハラの詳細や行われた日時を記した日記やメモ
会話の録音や動画はモラハラ行為の絶対的な証拠となりますが、取り扱いには十分に注意してください。
録音や動画撮影が難しい場合は、モラハラ行為が行われた日時と詳細な相手とのやり取りを記した日記やメモも有効な証拠となりえます。
相手とのやり取りの中で、自分の精神状況がどうなったか等、細かく記録に残すことも、精神的な虐待があったことを証明することに繋がるでしょう。
②LINEなどのトーク履歴やメール
SNSやメールのやりとりでモラハラ発言を受けた場合は、保存をした上でバックアップを取り、確実に証拠として裁判に出せるよう準備しましょう。
③医師の診断書や精神科・心療内科への通院履歴
モラハラが原因で、不眠症やうつ病を患った場合は、必ず専門医を受診し、被害を受けたモラハラの具体的な内容を伝えてください。
診断書や診療記録にモラハラの内容が記載される可能性があり、モラハラの証拠となりえます。
④モラハラを目撃した第三者の証言
モラハラ行為があったことを、陳述書などにまとめれば、有力な証拠となりえます。
5.弁護士に依頼すべき理由
モラハラな加害者との離婚は、弁護士に相談することをおすすめします。
モラハラな加害者は、モラハラで相手を傷つけている自覚がない上、相手の上に立ち、支配することで自身の精神安定性を保っています。ですから、支配する相手がいなくなってしまうのは絶対に避けたいことですから、離婚にはすんなり応じないでしょう。
モラハラな加害者は、自分より下の相手の話はまともに聞けないでしょうから、対等に当事者同士が話し合うことは困難です。
モラハラ被害により、正常な思考力や判断力が薄れている状態では、モラハラな加害者に言いくるめられてしまい、離婚を諦める、または不利な条件で離婚してしまう可能性もあります。
モラハラ被害者の意向に沿った解決を目指すためには、離婚問題の専門家に依頼するのがベストです。
これは本当にモラハラに該当するのか?どんな行動を起こせばいいか分からないといった状況でも、一度ご相談ください。三輪知雄法律事務所では、お話しを伺った上で、依頼者にとって最善の解決方法を提案します。
6.三輪知雄法律事務所のモラハラ離婚の解決事例はこちら
モラハラ離婚の解決事例
三輪知雄法律事務所では、離婚問題を多数、解決した実績がありますので、交渉から訴訟まで安心してお任せください。
7.モラハラ離婚に強い三輪知雄法律事務所の弁護士へのお問い合わせ
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