離婚が認められるのはどのような場合かを弁護士が解説します!

いざ「離婚」が頭に浮かんだとき、実際に離婚ができるのか悩んだり、苦しむことは多いかと思います。

しかし、現実に「離婚」を検討する場合、まず、考えるべきは以下のポイントだけでよいのであり、そんなに難しく考える必要はありません。

①離婚について相手方の同意の有無

まず、相手が離婚に同意している場合は、いかなる場合でも離婚は可能です。

離婚届に、未成年の子供の親権者をどちらにするかと、お互いの署名押印、証人2名の署名押印を行い、役所に提出すれば離婚は成立することになります。

ただし、離婚届には養育費の金額を書くところはありません。未成年の子供がいる場合には、少なくとも「養育費」について話し合って、文書を作成してから離婚届を提出されることをお勧めいたします。

当事務所では、女性側の離婚事件を多く扱っていますが、なかなか男性が離婚に同意してくれない場合に、女性側が離婚を焦って養育費を決めずに離婚したり、低い水準の養育費で合意をしてしまい後悔されるケースも見受けられます。
お困りの場合には、当事務所の法律相談をご利用ください。

②未成年の子がいる場合、親権者を夫と妻のどちらにするか

夫婦間に未成年の子がいる場合には、離婚に際して、夫婦の一方を親権者と定める必要があります。

③養育費はいくらに決めるか

実務上は、これまでの生活費などから決める例、家庭裁判所の養育費算定表を基準にして計算されることが多いです。

子供が大きくなるまで将来にわたる支払となります。
いったん決めても、具体的な事情により、増額請求、減額請求は不可能ではないですが、弁護士に相談し、慎重に決めることをお勧めします。

④面接交渉の方法

親権者とならなかった親と、未成年の子供との面会の方法を定めます。

⑤財産分与

婚姻後に形成された夫婦の共有財産(預貯金や共有不動産など)をどのようにして分けるのかを決めます。

⑥慰謝料

相手方に、不倫関係、不貞行為があった場合などは慰謝料を検討する典型的なケースです。

⑦年金分割

合意によって、婚姻期間中の厚生年金の払込保険料を最大0.5の割合で分割することができます。

⑧婚姻費用分担請求

夫婦には、婚姻費用の分担義務がありますので、別居中は、夫(妻)に対して生活費の請求ができます。
婚姻費用算定表を基に計算されます。

未成年の子供がいない場合

もし、未成年のお子さんがいない場合には、子供が関係する部分は考慮する必要はありません。

相手方の同意がない場合でも以下の事情がある
~離婚事由・離婚原因の解説~

相手方が離婚に同意しない、離婚に応じない場合には、離婚原因があるかどうかを検討する必要があります。

離婚について、双方で意見対立がある場合、民法は、次の5つの場合に限り、離婚を認めると規定しています。

この5つの事由が、一般的に「離婚原因」、「離婚事由」と呼ばれるものです。

離婚原因・離婚事由

1 相手方に不貞行為があったとき
2
 相手方から悪意で遺棄されたとき
3
 相手方の生死が3年以上明らかでないとき
4
 相手方が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
5
 その他婚姻を継続し難い重大な理由があるとき

相手方に不貞行為があったとき

「不貞行為」とは、配偶者以外の異性と性的関係をもつことをいいます。

したがって、配偶者が、他の異性と性交渉を行ったということが認められれば、基本的には離婚が認められるということになります。

ここで、重要なのは、不貞行為の立証ができるかということです。

証拠としては、以下のようなものが考えられます。

不貞行為に関する証拠

・不貞相手とラブホテルから出てくる写真
・配偶者が不貞行為を文書、LINE
録音などで認めていること

相手方が認めても、後日、そんなことはなかったと主張する可能性もありますので、客観的な証拠が必要です。

証拠が乏しい場合は、他の離婚原因があるかどうかを検討した方がよいケースもあります。

相手方から悪意で遺棄されたとき

離婚原因の2つ目は、相手方から悪意で遺棄されたときです。

「悪意の遺棄」とは正当な理由がないにもかかわらず、夫婦の同居・協力・扶助義務を果たさないことです。

ただし、離婚を検討する場合は、夫婦関係が悪化すると、離婚が成立するまでも、どちらかが実家に帰ったり、別に住居を借りたりするなどして、別居することがほとんどです。

このように、一般的によく見られる別居は「遺棄」にあたらないことから、「悪意の遺棄」は、実務上、主張される機会は多くありません。

配偶者の生死が3年以上明らかでないとき

3年以上、配偶者の生存も死亡も確認できない状態が、現在も引き続いている状態を言います。

行方不明でも、居場所が分からないだけで、生存が分かっているときは、含まれません。

ただし、生死不明の状態は、現在まで継続している必要があります。

なお、相手方が7年以上生死不明の状態であれば、失踪宣告制度を利用できます。

この方法を取れば、相手方が死亡したものと扱われますので、婚姻関係は解消され、かつ、相続人として相手方の財産を相続することも可能です。

配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき

配偶者が強度の精神病であり、回復の見込みがないと認められる場合のことです。

しかし、この事由により無限定で離婚が認められると、精神病にかかった相手方は、突如として、配偶者から経済的な支援が得られなくなり、困窮する場合もありえますので、この離婚原因については、裁判所は厳格に判断する傾向にあります。

判例からは、精神病を患う相手方の今後の療養、生活等について、具体的な方策が用意されていることが必要とされています。

療養・生活についての具体的方策

・本人の負担が少ない状態での入院加療、生活保護などが現に行われているか、もしくはその見込み
・原告が、財産分与ないし離婚後の扶養として可能なかぎり協力する旨を表明している
・療養、生活に見合う財産的な給付

なお、三輪知雄法律事務所では、精神病ではありませんが、事故で寝たきりとなった配偶者との離婚を成立させた事例もあります。

>> ○○○の事例はこちら。

その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」とは、一言で言えば、両者の婚姻関係が破綻し、回復の見込みがないことを意味します。

離婚原因は離婚する夫婦の数だけありますので、離婚原因のすべてを法律に列挙することは困難であり、このような規定となっています。

以下、典型的な行為類型ごとにみていきます。

暴力行為

判例上、パートナーの暴力行為を理由とする離婚請求の例は少なくありません。

昨今、三輪知雄法律事務所においても、DVを理由とする離婚のご相談が増加しております。

DVの事案で重要なのは、他の事案でもそうですが、DVの証拠となります。典型的な証拠としては以下のようなものが考えられますので、該当する行為があった時は、きちんと証拠を確保することが必要となります。

DVの典型的な証拠

・暴力被害を受けた時のケンカ等の録音
・暴力を受けた際に受けた受傷部位の写真
へこんだ壁破れた服などの現物・写真
・暴力を受けたことを示すLINE、日記ブログなど

この種の類型では暴力だけでなく、不貞・飲酒・犯罪行為など、他の事由と重なることもあります。
有責性の程度が加重されるので、それだけ離婚も認められやすくなります。

モラハラ・暴言・精神的虐待

昨今、モラハラ離婚などの言葉で、三輪知雄法律事務所の法律相談においても、ご相談が徐々に増えている印象があります。

モラハラとは、精神的(倫理的)な攻撃・暴力などによる嫌がらせのことをいいます。

暴言や重大な侮辱などの精神的虐待は、時として、暴力以上に被害者を傷つけるといえますし、行為者本人に悪気はない分、たくさんの発言や行為が積み重なり、配偶者にダメージが蓄積し、離婚の決意に至る傾向があります。

暴言、精神的な虐待、モラハラについても、暴力などと同様、証拠が不可欠となります。

発言の際の録音、記録、日記などを保存しておくことが有効です。

犯罪行為

逮捕・犯罪行為、服役によるマスコミ報道等により、配偶者や家族の名誉が傷つけられたり、会社を解雇され、生活苦に陥ったりした場合などは、「婚姻を継続しがたい」として離婚が正当化される場合に当たります。

三輪知雄法律事務所の相談例にも、逮捕や自宅の捜索差押えの際、自宅に多数の警察官が臨場し、非常に恐怖を感じたケースや、逮捕に伴い、会社を解雇され経済的に困窮した事例など、離婚を正当化する要素となった事例があります。

性格の不一致

性格の相違は、どの夫婦にも多かれ少なかれあります。そのため、単なる性格の不一致だけではなく、性格の相違に起因するさまざまなトラブルが積み重なって婚姻が破綻するに至ることが必要です。

そのような場合は離婚を正当化する要素となります。

この性格の不一致は、大した理由ではないように考えられますが、数多くの離婚相談を受けていて、多い類型であると感じています。

相当な期間の別居

上記の具体例において、離婚を正当化する具体例をご紹介してきましたが、実際には、このような事情があっても直ちに離婚原因があると認められるとは限りません。

あくまでこのような事情によって、婚姻関係が破綻し、回復の見込みがないと認められることが必要となります。

例えば、暴力といっても、けがを伴わない軽度の暴行から重傷を負わせるほどの重度の暴行まであります。

また、モラハラや精神的虐待といっても、具体的な暴言の内容、頻度、期間などによって千差万別です。

これらの暴力や暴言を相手方が否定しており、客観的な証拠がない場合もあります。

このようにいろいろなケースがあるため、結局は個々の事案毎の判断となります。

このような場合に、実務上、大きな影響を及ぼすのは、客観的に判断できる、別居期間の長さとなります。

相当な期間とは?

そして、ここでいう「相当な期間」の別居については、個々の事案ごとに異なります。

あくまで、一般的には、別居期間として3年程度を要すると考えられます。

ただし、婚姻期間が1年程度など、短い場合はもっと短縮した別居期間が必要と考えられます(いわゆる離婚原因を作り出した「有責配偶者」の場合は要検討です)。

したがって、離婚原因に該当がなく、暴力や暴言等の証拠が不足している場合でも、相当な期間の別居期間があれば、離婚が認められる可能性が高くなりますので、詳細は三輪知雄法律事務所までご相談ください。

離婚問題/離婚調停・養育費の請求に強い弁護士に今すぐ相談