【相続人調査】【相続財産管理人申立て】車両代金が未納のまま、購入者が亡くなってしまったが、相続人調査・相続財産管理人選任申立てを経て、売買契約の合意解除に至った事例

1.相談者様の年代、性別、ご要望等

  • 40代
  • 男性
  • 自動車販売会社の社長様
  • 車両代金が全額未払の状態で、購入者が亡くなってしまい、代金回収や車両の転売ができない。

2.ご相談内容

相談者様は、あるお客様(ここでは仮に「Aさん」とします。)へ自動車を230万円で販売しました。
しかし、車両代金が全額未納のまま、Aさんは亡くなってしまったそうです。

Aさんが実際に自動車を使用していた期間は、約1、2ヶ月程度ということでしたが、車両代金が全額支払われないままの状況が続いたため、相談者様にて自動車を引き上げた上で、車両の使用を継続したいのであれば、代金を支払うよう督促していたところ、1ヶ月後くらいにAさんが亡くなったとのことでした。

販売した自動車は、既にAさん名義で登録されており、未納のままとなった車両代金は、Aさんの相続人から回収することができるのか、代金の回収ができない場合は車両を転売したいがどのように進めればよいのか、今後の対応方法について困っていたところ、三輪知雄法律事務所のホームページを見つけ、実際に電話をしてみたところ、希望日時に相談予約が取れたことから初回相談にいらっしゃいました。

3.法律相談後の経過

(1)相続人の調査

初回相談で経緯を詳しく伺い、三輪知雄法律事務所へ委任されたいとのことでしたので、委任状を取り交わしました

そこで、まずはAさんの相続人にあたる親族の調査から開始しました。

委任状を取り交わしたことにより、弁護士は職務上請求といった形で住民票や戸籍謄本を取り寄せることができますので、被相続人であるAさんの本籍地より戸籍謄本等を取得し、相続関係図を作成しました。

相続人の調査により、Aさんの子である4名の存在が判明しました。

(2)相続人へ文書の送付

相続人の調査により判明したAさんの子にあたる4名宛に文書を送付しました。

内容としては、下記1~4について記載しました。

  1. Aさんが購入した車両代金が未納であること
  2. Aさんの相続人へ相続意思の確認のため、文書を送付したこと
  3. 相続する意向である場合は、担当弁護士宛に連絡をして欲しいということ
  4. 相続放棄をする場合は、家庭裁判所に対して相続放棄の申述を行う必要があること

相続放棄の申述とは

被相続人の財産を相続したくない場合に、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に対して行う手続きです。
申述の期間は、「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内」と定められています。

本件の場合は、文書を受け取った日から3ヶ月以内となります。

(3)相続放棄の申述の受理の有無照会

相続人への文書が受領されたことを確認したのちに、弁護士より相続人に連絡を取ったところ、全員が相続放棄の手続を取ったことが分かり、その後、その相続人の相続人(代襲相続人)も相次いで、相続放棄の手続を取ったことが判明したため、当事務所より、家庭裁判所に対して相続放棄の申述の受理の有無について照会をしました。

照会の結果、代襲相続人含む相続人8名全員が相続放棄の申述を行っていることが分かりました。

(4)相続財産管理人選任申立

本件の場合は、相続人全員が相続放棄をしたため、相続財産を管理する人がいなくなります。このような場合には、相続財産を管理する人物を裁判所に選任してもらう必要がありますので、家庭裁判所に対し、申立書類を準備し、相続財産管理人選任申立を行いました。

相続財産管理人とは

遺産を管理して遺産を清算する職務を行う人のことをいいます。
相続財産管理人は、家庭裁判所が、申立人からの申し立てに応じて選任します。
相続財産管理人の選任が必要と判断された場合は、相続財産にどのような財産があるか、第三者の専門家に任せるべき事案か等を考慮し、専門家に任せるべき事案であれば、弁護士等を選任するなど、相続財産管理人として最適な者を相続財産管理人に選任します。

相続財産管理人には、弁護士が選任されました。

(5)相続財産管理人の選任後、売買契約の合意解除に至るまで

相続財産管理人は、被相続人(Aさん)の財産調査を行いますので、その財産調査の中で、担当弁護士に対し、車両の売買契約書等の車両代金がわかる資料の提出を求められましたので、書類を精査し、対応しました。

また、相続財産管理人より、今後の見通しとして、売買契約の合意解除を検討している旨の話がありました。

合意解除となった場合は、自動車の名義をAさんから相談者様の自動車販売会社へ変更する必要があります。

名義変更の際に発生する手数料について、どちらが負担するのかという問題がありましたが、相続財産管理人からは、被相続人(Aさん)は、手数料を支払うほどの財産がないことを告げられており、相談者様は、早期解決を希望されておりましたので、相談者様において負担することを条件に合意解除する方針となりました。

そして、相続財産管理人からの申立てにより、家庭裁判所から権限外行為許可の審判が出ました。
この審判により、被相続人(Aさん)と相談者様との間で締結された売買契約は、相続財産管理人との間で、合意により解除、車両の名義は相談者様に変更できることとなり、本件は無事解決となりました。

権限外行為許可とは

相続財産管理人が、保存行為及び代理の目的たる物又は権利の性質を変えない範囲内においてその利用又は改良を目的とする行為をする権限を超える行為(例・売買等)をする必要がある場合は、事前に家庭裁判所に「権限外行為許可」の申立てを行い、許可を得る必要があります。

4.解決までに要した期間と三輪知雄法律事務所の弁護士費用

三輪知雄法律事務所が解決までに要した期間と弁護士費用は以下のとおりとなります。

解決までに要した期間と弁護士費用

○ご相談から解決までの期間:約1年程度

○三輪知雄法律事務所の弁護士費用

 ・費用(着手金及び報酬):27万5000円

※消費税込の金額。実費等は別途。
※費用は、あくまで参考としてお示しするものであり、個別の案件やご相談内容によっても異なりますので、詳細は法律相談の際に担当弁護士までお問い合わせください。

5.三輪知雄法律事務所の担当弁護士からのコメント

三輪知雄法律事務所 
担当弁護士: 平松 達基

出身地:名古屋市。出身大学:名古屋大学法科大学院。主な取扱い分野は、相続全般、男女問題・離婚・養育費・慰謝料などの問題、企業法務、クレーム対応など。

売買商品の購入代金を未納のまま購入者が亡くなってしまった今回のようなケースは、相続人に代金を請求するといった方法が考えられますが、そもそも被相続人が未納とまま亡くなったことにそれなりに事情があるような場合には、相続人が代金を支払うどころか、代金支払を拒否したり、相続を放棄するケースも多くあるのが実情です。

相続人であれば、戸籍謄本等を自身で取り寄せることができますが、相談者様のような第三者の立場であると、そうもいきません。
弁護士は、依頼業務について職権で戸籍謄本等を取り寄せることができますので、相続人調査を行うことが可能です。

請求対象の相続人が相続放棄をした場合は、家庭裁判所に対して相続財産管理人選任申立をする必要があります
自身で申立てをすることも可能ですが、売買商品を早く取り戻し、名義を変更しないと商品の価値が下がってしまいます。相続財産管理人の申立ては、申立書の作成や書類の収集など時間と労力がかかりますので、すべてを任せることができる弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士以外にも司法書士へ依頼するという選択肢もありますが、司法書士は申立書の作成や資料収集を行うことはできますが、申立てを代理で行うことはできません。
弁護士であれば、申立書作成から実際の申立てまでを一任することができますので、弁護士への依頼を考えてみてはいかがでしょうか。

三輪知雄法律事務所には相続事件に強い弁護士が在席していますので、何かお困りのことがありましたら、三輪知雄法律事務所へお気軽にご相談ください。

6.三輪知雄法律事務所の相続人調査や相続財産管理人選任申立の対応に強い弁護士へのお問い合わせ

三輪知雄法律事務所の「相続人調査や相続財産管理人選任申立の対応に強い弁護士」へのお問い合わせは、以下の「電話番号(受付時間・平日 9:00~18:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

※この記事は公開日時点の法令等をもとに作成しています。