【税務調査】【所得税】【贈与税】【3000万円特別控除】【マンション売却】突然の税務調査に対し、調査立ち会いから、調査官との納税額の減額交渉、所得税・贈与税申告書作成まで一括でサポートした事例

1.相談者様の年代、性別、ご要望等

  • 50代
  • 女性
  • 専業主婦
  • 突然、税務署から調査の連絡があった
  • 所得税:税務署からの指摘に対する対応
  • 贈与税:6年以上前の夫婦間の資金移動(贈与)は、時効を主張したい
  • 税務調査への立会をお願いしたい

2.ご相談内容

相談者様は、新築の高級マンションを4500万円で購入しました。
高級マンションを購入後、実際に3ヶ月程度その物件に住んでいたため、住民票も移していましたが、最終的には、もともと所有していた別の物件へ移り住みました。
購入から数年が経過したころ、約5000万円で第三者へ売却をし、500万円以上の利益が出ました。

相談者様は、自宅を売却した場合の所得税申告について調べたところ、自宅を売却した際に出た利益については、3000万円まで課税対象から控除できることを知りました。

売却当時、住民票を高級マンションへ移し、実際に自宅として生活の本拠を置いていましたので、特に所得税の申告を行っていませんでした。

そんな中で突然、税務署から相談者様宛に連絡が入り、所得税の申告等について確認がしたいと話があり、実際の調査においては、売買前の夫婦間の資金移動についても、贈与に当たる可能性を指摘されました。

相談者様は、所得税についてはもちろん、その他についても、申告対象となるような税金はないと考えていたため、税務署からの突然の連絡に対し、かなり驚かれたご様子でした。

相談者様は、税務調査対応を任せられる専門家を探していたところ、税理士資格を持つ弁護士が在席している三輪知雄法律事務所のホームページを見つけ、電話をしたところ、初回相談は無料ということで、即日予約が取れたことからご相談にいらっしゃいました。

3000万円特別控除とは(居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例)

不動産を売却した際に出た利益に対し、3000万円までは課税対象から除外できるというもので、正式には、「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」、「マイホーム特例」とも呼ばれています。特例の適用を受けるためには、下記の要件を満たしていることが必要です。
※特例の適用により税額が0円になる場合でも、確定申告が必要となります。

  • 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売却すること。
  • 以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。
  • 売った年の前年及び前々年にこの特例またはマイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。
  • 売った年、その前年及び前々年にマイホームの買換えやマイホームの交換の特例の適用を受けていないこと。
  • 災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
  • 売主と買主が、親子や夫婦など特別な関係でないこと。

また、下記のような物件を売却した場合は、控除対象にはなりません。

  • 特例を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋
  • 居住用家屋を新築する期間中だけ仮住まいとして使った家屋、その他一時的な目的で入居したと認められる家屋
  • 別荘などのように主として趣味、娯楽又は保養のために所有する家屋

3.法律相談後の経過

(1)税務代理権限証書を提出

初回相談で経緯を詳しく伺い、一旦、通帳のコピーや過去の確定申告書類をお預かりしました。
税理士資格を有する弁護士及びスタッフにおいて、税務署の調査対象となり得る金銭の動きを精査し、また、他の担当弁護士において、所得税法、相続税法の調査、税務署の指摘に対する対応について検討事項をまとめ、初回相談から約1週間後に相談者様へご報告しました。

検討事項をもとに、今後の対応について相談者様へ詳しくお話しをすると、少し安心されたご様子で、今後の対応について、三輪知雄法律事務所に正式に委任されることとなりました。

受任後、税務署に対し、今回の調査にかかる対応について税務代理権限証書を提出しました。
税務代理権限証書を提出することにより、相談者様(=納税者)に代わって税務署への交渉を行うことができます

税務代理とは

納税者の代理人として税務署などに対して申告などの業務を行うことをいいます。
税務調査の場合は、納税者の代理人として税務署に対して主張したり、交渉をしたりすることができます。

(2)贈与税について

贈与税の申告期間は、贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日とされています。
税務署が更正決定等を行うことが可能な期限(時効)は、申告書の提出期限から6年です。
ただし、偽りその他不正行為により、その全部若しくは一部の税額を免れる等した場合には7年とされています。

担当弁護士らが調査したところ、相談者様において、故意に税額を免れていたという事実や、それが疑われる事情も認められなかったため、6年以上前の申告対象となる贈与税については、期限外(時効)により、贈与税の対象外であることを強く主張しました。

一方で、マンション購入から数年以内の期間で見ても、ご主人から相談者様の口座毎年110万円を超える多額の金銭の流れがあることが分かりました。
もっとも、夫婦間の資金移動ですので、生活費や子女の教育費にあてるための資金であれば、原則、贈与税の対象外と解されます。
担当弁護士らが、相談者様から事情をお聞きし、子女の学費を相談者様が支払った際の立て替えや、生活費の精算に伴う資金移動を一つ一つチェックして、贈与税の対象から除外し、再度、精査したところ、合計して数百万円の資金移動が贈与税の対象に該当する可能性があると考えられました。

相談者様へは、本来納めるべきであった贈与税、無申告加算税、延滞税がかかる可能性があることを丁寧に説明し、大体の課税見込額をご案内いたしました。

夫婦間でも贈与税がかかる?

夫婦間で財産を授受すると贈与税がかかる場合があります。
家族のため、自分の財産なのか相手の財産なのかという感覚が薄れがちですが、夫婦であっても財産を無償で移転させる行為は、贈与にあたります。

贈与税には年110万円の控除があります。
1年間での贈与の合計が110万円を超える場合は、贈与税の申告をしなくてはいけません。

(3)所得税について

まず、前述したとおり、自宅を売却した際に受けられる3000万円の控除については、売却した翌年の確定申告において、特例を受ける旨の申告を行う必要があります

期限後の申告であっても、この特例の要件は満たす場合もあります。
しかし、今回の相談者様のようなケースでは、既に税務調査の対象となっている段階での申告となるため、税務署側としても期限後の申告を認めない可能性もあると考えられますが、まずは申告の意思があることを強く主張いたしました。

また、相談者様が、売却したマンションに移る前後の経緯や、相談者様の生活実態を詳しくお聞きし、自宅(生活の本拠)としての実態があるかどうかの確認を致しました。生活の本拠としての実態があるかどうかの判断基準としては、以下のような通達や裁判例等が存在します。

租税特別措置法通達31の3-2

租税特別措置法第31条の3第2項に規定する「その居住の用に供している家屋」とは、その者が生活の拠点として利用している家屋(一時的な利用を目的とする家屋を除く。)をいい、これに該当するかどうかは、その者及び配偶者等(社会通念に照らしその者と同居することが通常であると認められる配偶者その他の者をいう。以下この項において同じ。)の日常生活の状況、その家屋への入居目的、その家屋の構造及び設備の状況その他の事情を総合勘案して判定する。

裁判例の一部

・千葉地判・平成18年5月12日:居住の用に供している家屋等とは、真に居住の意思をもって、客観的にもある程度継続して生活の本拠としている家屋等をいうと解するのが相当である。

・松江地判・平成25年12月26日:上記の生活本拠性の有無については・・・客観的な居住の事実を基本として、居住意思という主観的事実をも考慮して、社会通念に照らして、総合的に生活本拠性を判断するのが相当である。そして、被告が主張する真に居住の意思があるかどうかという点及び継続的居住の事実があるかどうかという点は、それぞれ、独立の要件事実というよりは、生活本拠性(要件事実)を推認させる間接事実として考慮される・・・。

通達や裁判例等をふまえますと、「居住の用に供している家屋」の認定を得るには、家屋の構造や設備の状況等が居住を前提としたものであるといったハード面における判断、家屋への入居目的が居住を前提としたものであることや居住の意思といった主観面での判断、居住の事実の継続という客観面での判断をふまえて、認定がなされることが分かります。

この物件は、前述のとおり高級マンションで、構造や設備については、居住を前提としたもので問題はありませんでした。
居住の意思については、ご本人は居住の意思を持っていましたが、購入時に、このマンションを賃貸した場合の家賃収入の想定額や、転売した場合の転売利益の資料を、不動産会社が相談者様に提供していたことについて、調査官から指摘を受け、賃貸または転売目的を持っていたのではないかと疑われました。
しかし、これについては、当事務所の弁護士・税理士及びスタッフの調査により、不動産会社は、賃貸や転売目的があるかどうかにかかわらず、購入者全員に資料を渡していたことが判明し、相談者様が賃貸や転売目的を有していたことの証拠には当たらないと反論することができました。

裁判例、裁決例等を調査したところ、家屋に実際に居住し、生活をしていた事実を主張するためには、客観的な証明力と説得力をもつ重要な事実として、電気、水道、ガスの使用量があげられます。電気、水道、ガスの使用量は、原則、その家屋での生活時間と連動しているといえます。これらの使用量が、平均的な数値であれば、居住の事実を立証する資料としては有利な資料となります。

そのほか、相談者様以外の第三者の方とのやりとりなど、相談者様がマンションを自宅として生活していたことを立証できる資料はないか相談者様と探したところ、相談者様が購入した家具や家電をマンションに配送していた記録や、相談者様と友人とのSNSでのやりとりの中に、旅行の際、マンションへの送り迎えを依頼したメッセージや、自宅で友人たちと飲み会をした際の写真などがありましたので、担当弁護士・税理士より、調査官にこれらの事実を主張するとともに、生活の本拠としてマンションを使用していたことを示す資料として提出しました。

4.税務調査への立会

担当弁護士・税理士より、税務署調査官に対し、資料の提出や交渉を行った後、調査官より連絡があり、調査及び現時点での調査結果の開示を行うため、相談者様の自宅に伺いたいとのことでした。
しかし、相談者様は調査官が自宅に来るのは気が進まないとのことでしたので、担当弁護士・税理士より、通帳やその他の資料は既に提出しており、新たな資料の確認等がなければ自宅以外の場所にしたいと伝えたところ、相談者とともに管轄の税務署に来所してほしいとの要請があり、日程調整のうえ、相談者様とともに税務署を訪問しました(税務調査)

当日は、税務署の会議室にて、調査官から、まず、所得税について、対象の物件についても、購入の目的に関する主観的な認識、不動産業者にどのような説明を行っていたかの確認、夫の認識、生活の実態があったかどうか等について、詳細な質問がなされました。
これらの質問については、基本的には相談者様が回答しましたが、回答が記憶違い等から、事実経過やこれまでの主張と整合しない内容となったり、意図がうまく伝わらず、調査官が誤解をしている場合には、隣に座っていた担当弁護士・税理士にてフォローや訂正などを適宜行いました。

そのほか、口座の使用権限(口座への入出金、キャッシュカードの所持者等)や資金移動について質問がされました。また、贈与税については、対象物件での生活実態について主張し、資金移動についても生活費としての立て替えや子供の学費の精算という点を主張し、合わせて立証資料も提出しました。

調査の結果、当職らの主張をくんで、贈与税については、半分程度の金額については贈与税の申告対象から除外となり、所得税については、マンションを自宅として居住していたことを認める判断が示され、相談者様としては、自身の主張が受け入れられ納税額が減少したことに、安心しておられました。

最終的に、担当弁護士・税理士と、相談者様にて打ち合わせを行い、贈与を認定した調査官の判断は合理的と判断されたことから、これを受け入れる方向で決断し、贈与税及び所得税の修正申告を行いました。

5.所得税及び贈与税申告書の作成から提出までを一括対応

税務調査への対応後、所得税及び贈与税の申告書を作成し、提出しました。

税理士資格を持つ弁護士が所属していますので、税務代理により、申告書の作成から実際に税務署へ提出するまで一括対応することが可能です。

相談者様には、後日納付書を使って、税額を納付していただき、税務調査への対応は終了し、解決となりました。

6.解決までに要した期間と三輪知雄法律事務所の弁護士・税理士費用

三輪知雄法律事務所が解決までに要した期間と弁護士費用は以下のとおりとなります。

解決までに要した期間と弁護士費用

○ご相談から解決までの期間:約1ヶ月程度

○三輪知雄法律事務所の弁護士・税理士費用(日当、税務申告費用含む)

 ・着手金:30万円程度
 ・報酬金:50万円程度

※消費税、実費等は別途。
※費用は、あくまで参考としてお示しするものであり、個別の案件やご相談内容によっても異なりますので、詳細は法律相談の際に担当弁護士までお問い合わせください。

7.三輪知雄法律事務所の担当弁護士・税理士からのコメント

弁護士三輪知雄写真


三輪知雄法律事務所 
担当弁護士・税理士:三輪 知雄

出身地:名古屋市。出身大学:京都大学法科大学院。主な取扱分野は、税務が関係する法律問題・税務調査対応、企業法務、相続事件、不動産問題など。

突然税務署から調査の連絡があった場合、多くの方は不安を感じ、どう対応すれば良いのか分からないと思います。
現実的には、税務調査自体を拒否することはできませんし、調査が完了するまでに何度も税務署とのやり取りが発生しますし、一つ一つの質問にどう答えるべきか悩みはつきません。
また、質問への回答や反論について、税務署の調査官にこちらの主張を受け入れてもらうには、独りよがりの思い込みではなく、論理的な主張の組み立て主張を裏付ける証拠や資料の準備が不可欠といえます。

税理士資格を持つ弁護士は、それほど多くはありません。
弁護士は、日頃から様々な交渉案件に関与しており、一般的な税理士よりも交渉能力に長けていますし、裁判所が重視する証拠の選択や判断も得意です。
さらには、最終的には、税務署との交渉が決裂した場合の対応も可能といったメリットがありますので、税理士資格を持つ弁護士へ税務調査への対応を依頼するメリットは大いにあるかと思います。

税務調査に対して不安やご心配がある方は、ぜひ一度、三輪知雄法律事務所へご相談ください。

8.税務調査や税務署との交渉に強い弁護士へのお問い合わせ

税務調査や税務署との交渉に関するお問い合わせは、以下の「電話番号(受付時間・平日 9:00~18:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

なお、お電話やメールのみでの法律相談、ご回答、詳細な費用見積もりは致しておりませんので、お問い合わせの際は予めご了承のほどお願い致します。

※この記事は公開日時点の法令等を下に作成しておりますが、個人情報保護及び争点の理解等の観点から、結論に影響がない範囲で事案の一部を変更している場合があります。