【義父母との交渉】【遺産分割】【形見分け】義父母との遺産分割交渉において、過大な請求を受けたものの、弁護士依頼により形見分けを行い、適正金額で早期解決に至った事例
1. 相談者様のご年齢、ご要望など
- 30代女性、岐阜県内
- 夫の両親(義父母)
- 遺産分割協議(交渉)
- 遺産総額:約2000万円
- 相続財産:不動産、預貯金、株式、車両など
2. ご相談内容
相談者様は、ご主人をご病気で亡くされ、ご葬儀を済まされた後、義父母との間で遺産分割について話し合いをされていました。
しかし、遺産分割について話し合いが進む中で、義父母からは、「あなたのせいで息子はこんなに早く死んだ」などと言われ、ご主人の遺産に関して多額の請求を受けるようになりました。
一方、相談者様も「お義父さんとお義母さんは、私が苦しんでいた時に助けてくれなかった」という思いがあり、感情的な対立もあいまって関係性が悪化し、協議がままならないようになり、三輪知雄法律事務所へ相談にいらっしゃいました。
ご主人に先立たれた悲しみと、今まで親しくされていた義父母との関係性の変化に心身ともに疲れ果てていたご様子でした。
3. 三輪知雄法律事務所へ遺産分割協議・交渉を依頼する際の流れ
相手方への通知書の送付
三輪知雄法律事務所では、相談者様から依頼を受けるとすぐに他の相続人に対し、担当弁護士より、相談者様の代理人に就任した旨の通知(受任通知)を発送します。
本件に関しては、相談者様の弁護士が全ての窓口となり、遺産分割の一切に関する交渉が進められていきます。
通知書を送付することにより、以後、本件に関して、相手方から相談者様のところに連絡が来ることはありませんので、これまでストレスだった相手方からの連絡・交渉を気にせず、仕事や日常生活に集中できます。
相続人の調査
三輪知雄法律事務所の担当弁護士が代理人に就任して行うことは、まず、職務上の請求により、被相続人の戸籍や住民票を取得し、法定相続人の調査を行うというものです。
戸籍や住民票の取り寄せは、相続人であれば誰でも行うことは可能ですが、被相続人の出生から死亡までの戸籍となると遠方の役所等での申請や、「原戸籍」という古い時代の戸籍の読み取りが必要になる場合もあり、慣れない方にはなかなか骨の折れる作業でもあります。
その点、戸籍の取り寄せと相続人の調査を三輪知雄法律事務所に依頼すれば、戸籍の取り寄せや取り扱いに慣れている事務スタッフにより、一括して戸籍の取り寄せと相続人の確定が可能となりますので、相続人の方のご負担はかなり楽になるかと思います。
本件では、40代で亡くなったご主人の出生から死亡までの戸籍ということでしたので、戸籍取り寄せに要した手間はさほど大きいものではありませんでしたが、三輪知雄法律事務所に依頼することにより、迅速かつ漏れのないように戸籍の取り寄せと相続人の確定を行うことができました。
遺産の調査
本件では、相談者様からの申告が明確でしたので、被相続人の遺産を調査することは特に行っていません。
しかし、一般に遺産の調査となると、自宅などの不動産は調査が比較的簡単ですが、預貯金、株式、保険などについては、慣れない方が漏れなく調査するのは困難な場合が多くあります。
三輪知雄法律事務所では、遺産の確認に不安があるご相談者様に対しては、遺産の調査方法について、具体的にアドバイスを行っております。
具体的な相続額の算定
上記で調査した遺産を前提に、相続人の相続割合、特別受益や寄与分の算定をし、相続人の具体的な相続額を算出します。
本件では、相談者様は被相続人の配偶者ですので、法律上の相続分(法定相続分)は3分の2、義父母の法律上の相続分(法定相続分)は6分の1ずつとなります。
※特別受益とは・・・
被相続人からの生前贈与など、遺産の前倒しと評価できる財産を「特別受益」といいます。
何名かいる相続人のうち、一部の相続人だけが特別受益を受けとっている場合、共同相続人間の公平を図るために、計算上、受けとった財産を相続財産に持戻(加算)して相続分を算定します。
※寄与分とは・・・
何名かいる相続人のうち、特定の相続人が特別に貢献をしたおかげで、被相続人の財産が増えたり、相続発生までに遺産が減るのを避けることができたりした場合、共同相続人間の公平を図るために、この特定の相続人に、法定相続分以上の財産を取得させることを「寄与分」といいます。
三輪知雄法律事務所の弁護士交渉の進め方&本件の経過
上記で算定した被相続人の遺産状況を「遺産目録」という書式にし、三輪知雄法律事務所の担当弁護士が、相談者様から遺産分割に関する意見を聞き取ります。
相談者様の意向は以下のとおりです。
相談者様の意向
- 自宅に住み続けたい
- 車は乗らないのでいらない
- 株式などその他の財産はどちらが相続しても良いが、金銭的に評価して法廷相続分にしたがって分配したい。
また、義父母の主張に対しては、相談者様は、義父母(相手方)が要求する遺産の額は多すぎるという疑問を持っていました。
それらをふまえて、三輪知雄法律事務所の担当弁護士と相談者様にて打ち合わせを行い、本件の基本的な方針を決めました。
相談者様の基本的な方針
- 相続財産のうち、自宅は取得したい。
- その他の財産については、相手方が承継したいならそれでもよい。
- 相手方の主張の金額は高すぎて、法的相続分を超える支払には到底応じられない。
- 遺産の評価については一般的な基準で評価し、法定相続分に従って分配する。
この基本的な方針をふまえて、三輪知雄法律事務所の担当弁護士が、相手方との間で遺産分割に関する交渉を行います。
なお、遺産分割の交渉に関するやりとりは、すべて担当弁護士が行いますので、遺産分割に関して、相談者様が相手方とやりとりしたり、顔を合わせたりすることはありません。
三輪知雄法律事務所の弁護士交渉の進め方について
三輪知雄法律事務所では、担当弁護士が交渉条件を切り出すタイミングについては、事前に方針を共有して行います。 また、相手方に送付する書面の内容は、事前にメールやLINE等で相談者様にご確認頂いてから送付しますし、相手方から反応があれば都度、ご報告いたします。弁護士が一方的に交渉を進めることはありませんので、ご安心ください。
本件では、相談者様と決めた方針に基づき、担当弁護士が書面を送付して数日後に、相手方に電話で意見を確認したところ、相手方は弁護士に相談に行き、改めて回答するとのことでした。
その後、相手方から回答があり、自宅不動産については相談者様に譲るが、その他の財産については自分たちが取得したいということでした。また、遺産についても、息子を奪われた苦痛の慰謝料として、(法定相続分を上回る)一定の金額の請求がありました。
この回答については、すぐに相談者様と協議し、当初の方針通り、法定相続分を上回る分割や支払を認めるつもりはないことを確認し、担当弁護士より、相手方に書面で通知しました。
遺産分割交渉を打開する糸口は意外なところにあります!
その後、担当弁護士の書面を見た相手方より連絡があり、当方の見解について異議を述べられました。
担当弁護士が、相手方の義父母に面会して、よくよく話を聞くと、「息子を若くして奪われたことが、納得できない」、「亡くなったことについて、嫁(相談者様)が自分の仕事や友人関係を優先して十分看病しなかった、亡くなったのは嫁に責任がある」という思いが強いようでした。
この点について、担当弁護士より、「息子さんが亡くなったことについて、相談者様にとっては、一生の連れ合いをなくしたのだから、悲しみや苦しさはあなた方と何ら変わりはない」、「この相続問題を早期に解決して、御霊前に報告し、息子さんの思い出とともに穏やかに生きることを息子さんも望まれるのではないか」などと話したところ、この思いが通じたのかは分かりませんが、相手方からは、「息子の形見分けがまだできていない」という話がありました。
それを受け、担当弁護士と相談者様で協議を行ったところ、確かに、以前、義父母から形見分けの話があったが、夫が学生時代に行った旅行のお土産や写真などを自宅で探すのがおっくうであり、そのほか色々な感情の行き違いから一蹴してしまったことがあったとのことでした。
担当弁護士は、相談者様に対し、すぐにそのお土産や写真を探してもらうよう要請しました。
相談者様は、結婚前の夫の学生時代のお土産なんかどこにあるか分からないし、古くて壊れてるかもだし、遺産分割と関係ないし、いまさら応じる必要ないでしょ・・・と担当弁護士にかなり不機嫌なご様子でしたが、担当弁護士は、交渉を打開する糸口になるかもしれないと丁寧に説明し、相談者様に探していただきました。
相談者様が何とか見つけたお土産や写真を相手方に送ってしばらくたったころ、相手方から、遺産分割については当方が送付した書面の内容どおりで構わないとの連絡がありました。
遺産分割協議書の作成
相続人全員の同意が得られたら、遺産分割協議(交渉)の内容を基に、遺産分割協議書を作成することになります。
遺産分割協議書は、すべての相続財産や債務について記載がされることが必要であり、後日、漏れや不備があった場合に、遺産分割協議がやり直しになる可能性がありますので、専門家に作成を依頼しましょう。
また、遺産分割協議書は、必ずしも相続人全員が一堂に会して取り交わす必要はありません。相続人全員の同意が得られれば良いため、署名・捺印を郵送によってやり取りすることも可能です。
本件についても、三輪知雄法律事務所の担当弁護士が、合意内容を遺産分割協議書に表示し、依頼者様と相手方の双方から郵送で署名・捺印を得ております。
4. 三輪知雄法律事務所に遺産分割協議・交渉を依頼するメリット4点
メリット1:親族間の人間関係の悪化を防ぎます
本件もそうでしたが、遺産分割協議を親族同士のみで行うと関係性が険悪化して、取り返しが付かなくなる可能性があります。
三輪知雄法律事務所に遺産分割交渉をご依頼頂きますと、担当弁護士が全ての窓口となり対応するため、顔を合わせたくない親族とのやり取りなど、煩わしいやり取りをする必要がなくなります。
弁護士が代理で交渉を行うことで、法律に則った交渉を行い必要な権利主張を行います。親族同士のやり取りによる精神的負担を防ぎ、納得のいく遺産分割を行うことができます。
メリット2:弁護士が適切に権利主張を行い、損をしません
三輪知雄法律事務所の担当弁護士は、相談者様のご要望を聞き取り、これまでの被相続人や関係者のやり取り等をふまえ、適切な権利主張を行います。
個人で遺産分割に対応されていると、遺産開示の場面や、財産評価の場面など、どうしても情報の多い少ないによる有利不利が顕在化してしまうものです。 三輪知雄法律事務所の担当弁護士は、適切な場面で法律的な主張を行い、遺産分割協議を有利に進めていきます。
メリット3:遺言作成から、遺産分割、相続税申告・相続登記まで一括対応可能
三輪知雄法律事務所では、遺言作成、遺産整理、遺産分割交渉・調停について対応可能なことはもちろん、相続税申告・相続登記の登記申請業務を行うことができます。 さらに、三輪知雄法律事務所では、弁護士と税理士の両方の資格を保持している弁護士が在籍しております。 ですので、三輪知雄法律事務所では、不動産の名義変更(相続登記)、預貯金の名義変更・解約、相続税の申告などの遺産相続に関する手続を、一括してご依頼いただくことができます(内容によっては、提携先の税理士、司法書士事務所でのご対応となる場合がございます)。
メリット4:相続に関する専門家と連携体制
三輪知雄法律事務所では、土地家屋調査士、相続不動産の売却に強い不動産会社(宅地建物取引士)などの専門家や、持ち分の買い取りや相続税の納付資金の融資などの金融機関との連携体制が整っております。 遺産である不動産の売却手続、登記変更、相続に伴う相続税申告・支払をスムーズに行うことができます。
5. 解決期間と弁護士費用の目安
ご相談の事例において、解決まで要した期間と三輪知雄法律事務所の弁護士費用は以下のとおりとなります。
ご相談から解決までの期間と弁護士費用
・約2ヵ月程度
・着手金:30万円 報酬:50万円
※税、実費等は別途。
※費用は、あくまで参考としてお示しするものであり、相続財産の額やご相談内容によっても異なりますので、詳細は法律相談の際に担当弁護士までお問い合わせください。
6. 三輪知雄法律事務所の担当弁護士からのコメント
三輪知雄法律事務所
担当弁護士:平松 達基
出身地:名古屋市。出身大学:名古屋大学法科大学院。主な取扱い分野は、遺産分割など相続問題全般、不動産問題、企業法務、クレーム対応など。
遺産分割に関して、当事者間でやりとりを行うことは感情的になりがちですし、特に、本件のように、血のつながりのない義父母との交渉については、精神的な負担が大きいと思います。
また、相続トラブルは、「相続税の課税対象となるような高額な遺産がある家庭だろうから、うちは関係ない」、というようなイメージをお持ちの方も多くお見えですが、実際、当事務所では、本件のように、遺産総額が相続税の基礎控除額以下のケースでのトラブルや、話し合いがこじれてしまうご相談も多く発生しています。
遺産相続の専門家である弁護士を間に挟むことで、相談者様が直接相手とやりとりをするというストレスからは解放されますし、本件のように、交渉打開の糸口は意外なところにあるものです。
当事務所では、当事者同士では交渉が進まなくなった案件でも、弁護士が粘り強く交渉を進めますし、相談者様に常に寄り添いながら、交渉打開の糸口を逃すことなく、ともに悩んで、ともに解決して参ります。
7. 三輪知雄法律事務所の遺産分割交渉に強い弁護士へのお問い合わせ
三輪知雄法律事務所の「遺産分割交渉に強い弁護士」へのお問い合わせは、以下の「電話番号(受付時間・平日 9:00~18:00)」にお電話いただくか、下記画像をクリック頂き、メールフォームによるお問い合わせも受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
※この記事は公開日時点の法律をもとに作成しています。